素通り通信

愉快な記録です。

マスコミはアレだという話

20年以上前の話を書いてしまう。


当時「男闘呼組」というジャニーズアイドルのファンの中学生でした。まあ、そういうな。どうせ初ライブは男闘呼組の東京ドームですよ。でも当時彼らがラジオで流しまくっていたボンジョヴィやバンヘイレンやガンズンローゼスやら、そのへんから傾倒してわたし聴いていったんですよねいろんな音楽を。バンド始めたきっかけも男闘呼組主演の映画「ロックよ、静かに流れよ」(これは普通に物凄い感動映画です。アイドル臭さとかまったく無いっす。超泣ける名作)の影響ですし。


男闘呼組がデビューしたのが1988年の夏。その直後でもある秋に、メンバーの成田昭次君が交通事故を起こしました。おお、不祥事。
成田君は当時一番人気。彼はその、デビュー曲の後半に、アップテンポだった曲がいきなりスローになって、ソロで男性の色気たっぷりに愛を歌い上げるところがあり、リード・ギターだったので素敵なギターソロもあり、見せ場たっぷりの時期でした。
そんな大事な時期に、見せ場たっぷりの一番人気の成田君が事故を起こしたらどうするのかと。
そこでファンが向き合うことになったのは物凄い出来事でした。


夜のヒットスタジオ、という番組で
事故報道の直後に
男闘呼組が出たのですが
事故の被害者の女性と成田君をナマ電話で会話させて成田君に謝罪させて
そのまま歌に突入しました。
そして歌の後半の「カッコええソロ」の途中で歌いながら成田君は泣き出してしまいました。涙に詰まって歌えなくなる成田君。そこに寄ってきて励ますメンバー。


何だこの茶番は!!!!


中1の私も驚愕しました。あれで「成田君反省している、かわいそう!」と支持を集めるつもりですか。何なんですか。バカなの?
あれはウソ泣きだったんじゃないのかな。
でも被害者出てきたら泣くしかないだろうな。
そこをアップにするってテレビもどうなのか。
事故は本人が悪いじゃんか
それこそ反省するなら謹慎でもすればいいのに。
なんかもういろいろ気持ち悪い、汚い。ひどい。


マスコミの強引さを、そのとき知りました。
そりゃないだろ、いろんな意味で。
あまりに凄いシチュエーション。
電話の向こうの被害者の女性ですら「元気ないけど大丈夫?」みたいに気を使っていたのです。
結構あの夜ヒットを見て覚えている人は多かったみたいで、「男闘呼組のファンだったんです」とかカミングアウトすると、その「成田君号泣事件」を語る人は多いです。
今だったら大問題になっていた、というか初めからこんな無茶なことやんねえだろうな。
すんげえ企画だった。
マスコミって汚いなぁ、そこまでして悲劇の大スターを演出したいんか。被害者の気持ち考えろ。
当時はそんなこと考えてました。男闘呼組ファンなのに。


今も昔も、マスコミって変わらないし、大きな事務所もアレなんだろうなと思います。